「最近流行の人工知能(生成AI、チャットGPT)について」
と題して、先日、老人クラブ会報に記事を載せました。
老人クラブ?!、、、に入るとは私も思ってなかったのですが、コロナ禍で人と会えず、剣道が再開されても膝のケガで稽古をできず見学はお断りで、家に引きこもりがち。三日間で話した言葉が、スーパーでレジのおばさんに、「支払いはカードで」と、いう一言のみ、の時があり、さすがにこれはヤバイ。と、治療に来た近所の高齢の方に話したら、老人クラブに入りなさいよと誘って頂いた。
それが2年前、杖をつきつつ参加して、私も70になりまして歳ですと言ったら、80,90の元気なおじさん、おばさんに、あんたは若い、若いと言われまくりました。杖をついていたから、集まりで、テーブルや椅子の出し入れを免除して貰いましたが、元気なら、こき使われていたんじゃ無いかと思う。
その内に、会報に何か原稿を書きなさいと会長に指名をされてどうしようと思った時に、丁度、コンピュータ研究会の夏の公開セミナーがあり、「生成AIの基礎と実践を学ぶ」というテーマ。私もよく知らないし、老人クラブの人にも世の流行を知って貰うのに良いと思い、記事にしました。
講師は、DXエバンジェリストの大澤尚さんと、診断士として講演や指導と駄菓子屋で大活躍の富田良治さんでした。
***記事***
(1)大澤さんの講演
まだアナログ社会の日本がデジタル社会へ移行するタイミングという。データを収集し、可視化するツールが進歩した。質問をすると、従来伝え難かった職人技をわかりやすく教えてくれる。中小企業でも、活用して社員が変わり、改革を進める事例がいくつも紹介された。人手不足、人材不足に悩まされている中小企業にとっては追い風になる。
(2)ところで、AIブームは過去三度あり、今や第四次AIブーム!
第一次AIブームは1950年代後半、「推論と探索」の研究が中心で地味なものだった。
第二次AIブームは1980年代に、専門家の知識を教え、現実の問題を解く「エキスパートシステム」の成功で注目。時は、ジャパンアズナンバーワンと持ち上げられたバブル期、「第五世代プロジェクト」を日本政府がぶち上げて、アメリカの干渉も招いた。その頃、AI言語であるLisp、Prologの担当をしていて忙しかったのが思い出される。
第三次AIブームは2000年代に、「ディープラーニング」の登場により、画像、自然言語、音声処理が進歩。アマゾンやGoogleが利用者のアクセスを学習して、個人個人の好みにぴったりの提案をする、恐ろしいほどのできばえ。外国語と日本語が自動的に翻訳される、音声化や文書化もしてくれる。
そして、第四次AIブームは2022年、ごく最近。ChatGPT3をはじめとする生成AIの登場によって、革命的な変化が起きた。膨大なインターネット上の情報を取り込んで、質問に答えてくれる。答えは百行でも千行でも要求しだい、挨拶文でも、問題の解決案でも、本当にびっくりするほど、尤もらしい答えが出てくる。
(3)生成AIツールとして有名なChatGPTに実際に質問してみると
質問:「老人クラブで生成AIを500字で紹介してください」、すると、すぐに。
回答:「生成AI(生成型人工知能)は、入力された情報をもとに文章や画像、音楽などを自動で作り出す技術です。老人クラブでは、日常の楽しみや趣味を広げるツールとして活用できます。例えば、昔の白黒写真をカラー化したり、風景写真を美しく加工することができます。また、俳句や詩を楽しむ方には、キーワードを入力するだけで、季節に合った新しい作品を提案してくれるので、創作のヒントにもなります。
使い方は簡単で、スマートフォンやパソコンにキーワードを入力するだけ。音声入力も可能なので、タイピングが苦手な方でも利用しやすいです。また、メッセージや手紙の作成を手伝ってくれる機能もあり、家族や友人へのコミュニケーションをスムーズにサポートしてくれます。
プライバシー保護のための仕組みも整っているため、安心して使用できます。(中略)生成AIはシンプルな操作で楽しめる、新しい趣味のサポートツールです。」と返事が来る。
(4)富田さんの講演
生成AIツールを実際に使って、その実力を見せてくれた。無料のツールでもかなりの事ができる。生成AIは世界中のインターネット上の情報を集めて分析して整理し蓄えていて、質問をすると応えてくれる。文字だけでなく、画像、音声(言葉)を元に、回答も文章や音声やと多様です。
何を質問しても、尤もらしい回答が返ってくる。詳しくも、短くも指定できる。分野はなんでもありです
(5)前回の質問を次のように変えると、
質問:「幼稚園で生成AIを300字で紹介してください」すぐに、それらしく。
回答:「生成AI(生成型人工知能)は、コンピューターがお絵描きやお話を自動で作ってくれる楽しい道具です。幼稚園では、子どもたちが好きな動物や乗り物の絵を「車を描いて」とお願いすると、AIがその絵を作ってくれます。また、「森のお話を作って」と頼むと、面白いお話を考えてくれます。
使い方は簡単で、タブレットやパソコンに話しかけるだけ。絵を描いたりお話を作るのがまだ難しい子どもたちも、生成AIのお手伝いで楽しく創作ができます。(後略)」と子供向きに説明をしてくれる。
(6)注意したいこと
このように、遊べる、楽をできる。ただ、注意するのは、「生成AIは人間のように文章を理解しているのではなく、収集したデータをつながりや頻度を数値的に処理しているので、中身の正しさは人間が確認すること」が大切で、鵜呑みにはしないことです。
また、考えるヒントに使うのは良いが、対外的に発表する時は元になるデータの確かさを自分で判断が必要。加えて他者の著作権を侵害している恐れもある。それを避けるには、自分が用意した資料だけを入力させてまとめてくれるツール(Notebookなど)が良い。
(7)歴史とこれから
ちょっと時代を振り返ると、日本は製造業の強さ、工場の機械化で高度成長期を作り上げた。一方で事務処理は、そろばんや鉛筆が表計算やワープロソフトに代わっただけで、頭を使うのは人間という考えで生産性が悪いと言われてきた。しかし、第四次AIブームで、頭を使う仕事の多くをAIがやってくれるようになる。介護サービスにも、AIロボットが頭と体力とをカバーしてくれる。これからの少子高齢化時代の救いとなりそうだ。
人間は心のこもった交流が一番の役割、このクラブが大事な場になっていきますね。
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2024年12月13日