太極拳演武 楊式

武道

太極拳演武
卒業した鍼灸専門学校の学園祭があった。太極拳部のOBとして、演武に応援出場した。

昨年も出場して、観客に一番目立つ左前の場所で、初っぱな、間違えそうになって焦った。今回は、左奥というので安心していたら、直前に突如、左前に変更になっている。それは無いよと言いたいが、OBとして逃げるのも片腹痛しと引き受けた。今年は完ぺき?、…、二カ所ほど、片足蹴りでぐらっと来たが、間違いはなかった(普段とちがい、演武するのは柔道場で、畳の上は実にやりづらいのです)。

ここでやっている太極拳は、武術的性格を最も強く残していると言われる楊式で、套路(手順…空手の形のようなもの)が85式もある。繰り返し出てくるものも含めてだが、これは、1,2年では手順を覚えるのもなかなか大変だ。それで、OBにおはちが回ってくる。

手足の所作に気をとられるが、ポイントは下半身。片足にほぼ全体重を乗せて、腰を介してもう片方へと体重を移していく。それにつれて、手や眼が連携して動く。中腰で肩の力を抜いて、常にゆっくりと動く。ゆっくりだけにごまかしが利かない。剣道などは両足に均等に体重をかけて重心を体の中心に落とすが、それは双重といって最も嫌う。常に空気椅子、それも片足で空気椅子にすわるような形で、太股がパンパンになる。

武術性を残しているというのは、体重を移した、その足に体重をかけたままで方向転換をすることだ。健康体操として中国の広場で行われているのは、簡化24式と言って体重を移した足から、一旦、体重を戻して方向を変える。これでは相手に動作の意図を分かってしまう(武術としては致命的)。

もう一つは、動作が途切れなく、防御と攻めが連続していること、全ての所作が無駄なく攻撃につながっていることだ。楊式の創始者は、楊露無敵と言われるほどに強かったそうだが、套路の動きが全て攻撃になっているのを感じて演じると一瞬も気を抜けない。ゆっくりした動きからは想像できない、実に恐ろしい武術だ。

全体で20分ほどの演武だが、ほんの触りだけをfacebookにアップしました。雰囲気を味わっていただければ幸いです

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