経絡治療+αの治療機器
日本伝統の経絡治療は鍼と艾を使う灸とが中心だが、柔軟に他の治療機器も利用しています。
(1)低周波パルス
これは現代的な治療と言えるかもしれない。
私の学んだ日本鍼灸理療専門学校には、パルスガワと愛称(尊称)されるパルス第一人者の澤津川先生がいらして、実技の時間にパルス通電治療の手ほどきをしていただいた。
写真の患者は疲れると脊柱起立筋全体に張りが出てくる。何本も鍼をしたり、20cmくらいの長い鍼で起立筋全体に通すこともできるが、このように起立筋全体にパルスを通してほぐしてあげる方が刺激も適切で、喜ばれている。
(2)吸い玉
2016年のリオ五輪でメダルと共に注目され、話題になりました。水泳の米国代表、マイケル・フェルプス選手の肩にくっきり残る赤紫色の丸いアザが、吸い玉(カッピング療法とも)の痕跡です。
吸い玉を当ててポンプにより空気を抜いたり、アルコールを含ませた綿球を燃やしたりして真空にします。
頑固な凝りの所ほど色が強くなります。この患者は首肩こりで、特に首が辛く、色も赤みがかっています。
肩背部の凝りは、日本伝統医学研修センターで学んだ運動鍼が効果的なので、吸い玉の使用頻度は低くなっています。
(3)陶器灸
素焼きの陶器に、特性の燃えた炭を入れて、患部に当てます。底部に当てる布の厚みで微妙に熱さを調整できます。冷え性の患者の腹部や足に優しく当てることもできるし、布を薄くして押し当てると強い刺激を加えることもできます。
大腿の外側全体に硬さと痛みがある時に非常に効果がありました。広範囲なので、通常のお灸や鍼をするよりも効果的です。
火はトーチライターでつけます。
鈴木はり灸院の鈴木先生が考案したものです。
2018年12月11日