50数年ぶりの浜下り[ハマオレ]
50数年ぶりに奄美の年中行事の一つ、浜下り[ハマオレ]※1に参加しました。
浜下り[ハマオレ]は、家族で一重一瓶を持って浜に下り、近所の人と大人は飲み、子供は偶のごちそうに浮かれたものだ。
私の子供の頃は、草競馬ならぬ、浜競馬!があった。農耕馬を持っている人たちが、波打ち際を走らせて競争する。砂浜へ上がるの[ハマアガリ]は禁止で、波を蹴立てて走るのを見るのは子供心が踊ったものだ。今は、機械化で馬は見かけない。その分、人力の舟漕ぎ競争は盛んになっている。
午前は梅雨曇りの中で浜や集落の清掃を行い、夕方に舟漕ぎ競争の予定だった。ところが、夕方は土砂降りで、てっきり中止と思い、雨天時の懇親会場へ行くと、係の人だけで、皆、浜といわれた。
浜へ行ってみると、雨の中、大勢が準備をしている。小一時間もしない間に、奇跡的に雨が止み、舟漕ぎ競争が始まった。秋名幾里集落が合同で、青壮年団、婦人会対抗などいくつもレース、そして七班に分かれた最終レースに向けて、太鼓や声援もあり、盛り上がる。
出足の速い舟も、舵取りを間違えて、目標の旗を大きく廻って遅れたりと、なかなかに面白い。
動画もあります。
舟漕ぎ競争 はじまり
舟漕ぎ競争が終わった後は、班に分かれて懇親会。天気が良ければ、砂浜で弁当を広げるところだが、…。私の属するアガレ班は、コミュニティセンターでテーブル、椅子でゆっくりと歓談をした。タイムマシンに乗ったように、50年前と現実が少しづつ、つながりだしている。
※1 奄美方言[シマユムタ]の音声を[]で括って記述します。奄美方言は、ユネスコが2009年に発表した世界の消滅危機言語の一つに入っていて、保存をしたいところ。何よりも、方言で話すことでしっくりと心に響きます。一口に奄美方言と言っても、集落(入り江一つ、山一つ)毎に微妙に違います。その微妙な違いが同じ人とは、マザータング、当に母の懐に帰ったような思いになります。
2023年6月30日