ITproEXPO 医療とITの融合

IT 鍼灸

たまには、ITの展示会を見て、会社員時代の雰囲気を味わおうと、先週、ITproEXPOへ行って来ました。

いきなり、電車痛勤を体験。新宿から乗り込んだ東京ビッグサイトへの埼京線が、人身事故の影響で遅れるわ、満員電車のぎゅうぎゅう詰めになるわ。

会場を見わたすと、昔なじみのメーカもがんばっていましたが、展示内容は様変わりしていました。

ITproEXPO会場

マイナンバーやクラウドに絡んで、セキュリティが花盛り。合わせて、クラウドサーバのストレジ、情報共有もあちこちでやっていた。この辺は、予想通り。

珍しかったのは、ERPにコンサル機能(投資シミュレーション)を持たせていた。診断士から見れば、まさに機械的な当てはめだが。他に、、IoTはいろんな小物が出ていたがまだ模索段階という感じで、この業界の常でモノになる前に消えるかも知れない。

医療の世界に片足を突っ込んでいるので、その方面から面白いものを二つほど見つけた。

一つは、AceVisionという医療情報システム。患者はCADAというIDカードをアカウント登録して、システム導入医療機関から自分のカルテ情報を参照することができる。医療機関同士もカルテ情報を共有できる。さらに介護施設や救急車にも連携をできるという。これは、厚労省が病診連携による重複検査や投薬を削減する、病院への締め付けなどを目的に、躍起に進めている電子カルテに通じる。

カルテコでカルテ開示

将来的にはマイナンバーカードに統合されると思う。10年ほど前に、経産省による多目的ICカードの実証事業に関係したが、その時、既にその方向性は出ていた。

医者によっては、開示を嫌がるそうだが、医療費抑制の流れの中で、病院の競争も激しくなっていくから、次第に淘汰されてしまうだろう。全ての仕事はサービス業という認識が求められる。

もう一つは、長岡技術科学大学が展示をしていたSaLusTekという、イヤホンを使って耳から脈波などの生体信号を検出する。それによって、交感神経の興奮状態などを判断してビジュアルに或いは音によって、リラクセーションを促すシステムだ。

イヤホンで脈派検出

最近、iWatch などのウェラブルコンピュータが製品化されているが、私などのように腕時計が嫌いで、懐中時計、今は携帯で済ませている人間にとって、時計よりもスマートだと思う。
東洋医学では、脈を診ることで、交感神経の亢進やもろもろの症状を診断する。それに機械が追っかけているようなものだ。

最近も、テレビ(ためしてガッテン)で画期的なこととして、頑固な肩こりは、筋膜のよじれだとエコーにより検出して、画像として見ることで、筋膜を緩めるようになったと放送していた。これは、昭和50年代に既に、OA症候群に対して北里大学東洋医学研究所が委託研究により明らかにしていた。経絡治療では、その頃から、毫鍼や鍉鍼やによって筋膜を緩める治療をしている。手技の世界でも、筋・筋膜リリースは常識になっている。

現代医学では、個人技ではなく、客観的なデータとして提示できないと認められない。それで、聴診器を使う診断も廃れてきた。しかし、センサー技術、コンピュータによる解析技術の進歩により、医療機器が高度化するにつれて、東洋医学のアナログ技を追っかけて、科学的な解明と統合的な治療が行われていけば、これはすばらしいことだと思う。日本が世界に先駆けることができる分野だろうと感じた。

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