ユジャ・ワン ピアノ・リサイタル(サントリーホール)

もろもろ

4月に友人にチケットをもらって、超久しぶりに演奏会に行ったのがきっかけで、今日は自分でチケットを購入して、ユジャ・ワンのピアノリサイタルをサントリーホールで聴いてきた。

すばらしかったの一言。1987年、中国生まれで自由奔放、超絶技巧と言われる通り、アスリートのような俊敏で力強い演奏だった。
2階のRB席だったので、ピアノ音がダイレクトに耳に入り、しかもほどよい距離があったので、思う存分に聞くことができた。

演奏曲目が8月に入って漸く決定したが、演奏会が始まると、変わっている! 会場で配っていたチラシにも、変更になるかも知れないとあったが、…。全てが大音量、高速、…。しかし、メインの”ベートベン:ピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」”は変わってなくて良かった。
ユジャ・ワン ピアノ・リサイタル(サントリーホール)
気むずかしいかと思いきや、大曲の「ハンマークラヴィーア」を弾いた後に、鳴り止まない拍手に応えて、アンコールを七曲も弾いた。いずれも、力一杯のフォルティシモ、スピーディ。最後から二番目の”ラフマニノフ:悲歌”は高音が高速低音に乗って宝石のきらめきのような美しさ。最後の”グルック:メロディ”がピアニッシモ、スローテンポで終わった。
電車のアクセスが悪く、たくさん歩くのだが、帰りは余韻に浸って、ぶらぶらと歩き、気にならかった。

**********(おまけ)************

ぴょこんと90度のお辞儀をするのはなんとも愛嬌があった。
途中から、大きなタブレットを持ってきて、ピアノの上にぽんと置いて、譜面代わりにした。素速い指使いの合間に、左右の空いた手でフリックする。空いている時間など無さそうだし、左右でフリックの方向を間違えそうだが、そんなこともなく、するっと手が伸びてフリックしていた。
アンコールの合間が長い時があって、画面がロックされて、次の曲が探せずに、慌てた様子に会場に笑いの場面もあった。しかし、演奏体勢に入ると、会場はぴたっと静まった。聴衆も見事なもの。
ただ一つ、隣のおじさんの拍手が大きすぎて、耳が痛かったのが、ちょっと難だった。

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