坐禅
南無の会坐禅会が600回に達して、昨日(7/7)記念パーティがありました。
月2回なので、約4年で100回となります。今までは、講演とパーティでしたが、今年は、参加者が坐禅で得たことを文集にして出版し、併せてパーティとしました。
パーティでは、剣道をやたらと持ち上げられたり、認知療法学会長も務めマインドフルネスセンターを設立された貝谷先生から親しく話を伺ったり、仏跡ツアーコンの花嶋さんと来年のインド旅行の話をしたりと、楽しいひとときを過ごした。

大勢の人が執筆をしてA5版で150ページ近い大作となりました。
今日一日かけて、全部読んでみると、それぞれに仕事や行く末の悩みや不安、近親者の病や死というものを抱えて坐禅を始め、坐禅と中野先生の講話から多くの功徳を得ていることが分かりました。
達磨さんの無功徳(無という功徳)が本筋ですが、効用を求めて始めても、かなり、皆さん近づいています。

私も、坐禅の中で得たことや、なかなか人には言えない胸の内を吐けて、良い記念になりました。
本人の投稿文は公開しても良いというので、私の投稿文です。
「剣の悟りを求めて」-剣の悟りを求めて入ったが、力まず現実直視の心を学ぶ-
曹洞禅は終わりのない、只管打坐、行住坐臥すべて修行なので、これからも続けて行こうと思います。
2017年7月8日
坐禅
南無の会坐禅会のテキストが、「六方来経」から「禅問答」に変わりました。

禅問答というと臨済宗で公案を出して師弟が激しい問答を行ったり、訳の分からない話と一般に思われています。
今回のテキストはそういうものではなく、古来からの禅僧の逸話や自問自答、在家からの質問への回答など片言隻句も含めた多くの問答を集めて中野先生が執筆された書籍から抜粋したものです。
その解説も、われわれ一般の者にわかりやすいように、問答の背景、釈迦の教えてきた仏教の真髄から最近の世相トピックスまで例に引いて、ていねいに行われます。
いわゆる禅問答とひと味違うので、興味ある人は一度参加されると面白いと思います。
坐禅をするなら『南無の会「坐禅会」』をご覧下さい。
2017年6月3日
もろもろ 武道 鍼灸
正しい姿勢は、楽で、長い時間続けても疲れにくく、また、気持ちの良い姿勢でもある。
重心が身体の中心を垂直に通ること、脊中のS字カーブを保つことがポイントです。
(1)正しい姿勢
気持ち良い為には、どこにも力みがなくリラックスして、合わせて楽に呼吸ができる姿勢てあることが大切です。それには骨盤を立てて、その上に脊柱(腰・背・首)が真っ直ぐにのり、更に首の上に頭が真っ直ぐ乗ることです。言わば、骨盤が植木鉢で、その上に脊中が松の木のように真っ直ぐに伸びたイメージです。
よく頭の天辺からつり下げられた人形のイメージで項を伸ばして全身の力を抜いて真っ直ぐに、…、と言われます。しかし、実際にどうしたら良いかよく分かりません。具体的には、『首を長くできるだけ伸ばそう』と意識して首の筋肉を伸ばすと、背筋が引き上げられて近い形になります。

(2)正しい姿勢を呼吸でチェック
呼吸は鼻や喉を通り、『胸や腹から尻を通り踵まで下に通り抜けていく感覚』を保つようにします。
▲骨盤が前傾や後傾をすると呼吸が骨盤内でとどまり、尻まで抜けません。腰を前に出して反ると立派に見える気がするかも知れないが、骨盤が前傾してあちこちに無理な力がかかるので要注意です。
(3)前後の重心線を意識して立つ
解剖学的に重心線を意識した正しい姿勢を図に示します。
前後の重心線では、特に腰を前に出しすぎたり、お尻を後ろに出しすぎないように気をつけることです。耳から肩、腰、膝、くるぶしの少し前が一直線になるように心がけましょう。その時に脊中のS字カーブが保たれます。

(4)左右の重心線を意識して立つ
左右の重心線では、肩や腰が左右どちらかに傾かないように鏡を見てチェックしましょう。
▲職業や癖によって傾いていることがあります。足を組んだり、首を横に曲げる癖も要注意です。

(5)ディスプレイを使う時の座り姿勢
基本は普通に座るときと同じく、腰、膝、足、さらに肘の関節が90°です。それには、自分の姿勢に加えて、条件に合った環境を作ることがポイントです。

<ディスプレイ>
画面の上端が眼よりも下で、視線が20°程度にやや下向きに見える角度になるような高さにします。距離は40cm以上にしましょう。照明は、天井の全体照明と机上の資料用と二種類あると良いでしょう。
◇ノートパソコンの場合は、できるだけ外付けのディスプレイ(モニター)を購入した方が条件を満たしやすく、画面も大きいと作業効率もアップします。
<椅子>
座面が適度な硬さで、腰が当たる背もたれがあるものにします。足が床にしっかりと着いて、足の角度と膝の角度が90°になる高さに調節をしましょう。
◇ディスプレイとの角度を正しく保つために、場合によっては、踏み台を置いて高さを調節します。
○腰・上体はは先に述べたように90°(から~115°)になるように姿勢を作りましょう。
▲背中を当てると姿勢は悪くなるので、腰を引いた時に尻と腰が背もたれに当たるようにしましょう。
<キーボード>
正しい姿勢で座って、肘が90°になる角度を保てる高さにします。長時間利用する場合は、特に重要です。
◇ノートパソコンの場合は、できるだけ外付けのキーボードを購入して、キーボード台も利用すると条件を満たしやすくなります。外付けなら、キーピッチ、ストロークも自由に選べて快適に入力できます。キーボード台はホームセンターで押し入れ用のすのこなどを購入して、バラせば簡単に自作できます。
※「ディスプレイを使う時の座り姿勢」補足
IT化が進んだ現代では、多くの人がパソコンを使っています。ディスプレイを使う作業は、1980年代にオフコンが普及した頃から研究されてきました。
私は、40年以上コンピュータ関係の仕事をしてきましたが、上の環境を作ってきたので、幸い首肩コリ、腰痛にはならずに済みました(剣道や運動でなったことはありますが)。自作のキーボード台を職場に初めて持ち込んだときは奇異の目で見られたが、直ぐに慣れて快適でした。
キーボードを見ないで入力できるブラインドタッチは、正しい姿勢をキープして疲れず、作業を早くするために必要な技です。少し訓練すれば誰でもできるのでマスターしましょう
(6)歩く、走る姿勢
基本は立つ姿勢と同じく、脊中のS字カーブを保つことです。顎を軽く引き、お腹を引き締め、胸を張りすぎず屈まず、腰を反りすぎず、お尻を出しすぎないことです。
特に大事なのは目線です。遠くの山を見るように、うつむかず仰向かず、平視から少し上を見ることです。都会では、山が見えなければ、遠くの電柱や塔やビルの角を目印にして見ると良いでしょう。
もう一つ大事なのが足を出すときの起点を体軸のどこに置くかです。それは、下図に示す胸椎10番(前から見るとみぞおち)です。解剖学的には股関節と思うかも知れませんが、首腰と同様に胸(胸椎)も回転します。胸椎10番を回転の中心に置くと、歩幅が広くなります。
膝を伸ばして大股で歩く、竹馬に乗ったようなイメージ、自分の脚が竹になった気持ちが近いでしょう。
これには筋力が必要ですが、力強くダイナミックで、心も晴れ晴れします。ストライド走法といい、足が長く見えます。アテネ五輪マラソン種目で金メダルを獲得した野口みずき選手がそのお手本です。

※「歩く、走る姿勢」補足
(a)剣道への利点
胸椎10番を回転の中心に置くと、頭胸は回転せず、真っ直ぐ前を向いています。それに、胸椎の11番、12番は胸(胸骨)に着いていないので、11番や12番が回転しても上体(頭や肩胸)は回転しません。ということは、上体はぶれずに視線も変わらず真っ直ぐに動作できます。剣道で、上体(頭肩胸)が前を向いたままで回転しない、動かないということは、相手が動作に気づきにくい事を意味します。打突の好機は動作の起こりですから、それがわかりにくいということは重要な利点となります。
(b)足を出すときの起点いろいろ
胸椎10番以外にいくつかあります。
・腰(尻)から動く
腰を捻ったり、お尻を振って歩くのは、動作が大きく、目立つ上に疲れやすいです。
・股関節から動く
滑らかな動きになるが、歩幅が狭く運動量が少ないです。
・膝から下で動く
腰を落として膝から下で歩いていると、歩幅も狭く、スピードも出ない、若々しさがなく残念な姿です。
(7)動的起立基本姿勢(素速く動くための立ち姿勢)
先に示した立つ姿勢は、重心線が頭・体幹・下肢を通して一直線となり、小さな筋力で姿勢を保持できます。静かに立っているには適した正しい姿勢だが、抗重力筋を緊張させているので、敏速に動作するには不向きといえます。いわば、静的基本姿勢です。
それに対して、身体を四方・八方、どの方向にも自由自在に移動できると共に、千変万化の動作をタイミングよくできる姿勢が動的起立基本姿勢(自然体)です。
肘・腰・足の関節を少し屈曲させ、頭部と体幹をわずかに前傾させ、筋をリラックスさせて立ちます。すると、体勢が崩れない安定した姿勢でありながら、安定の内にも『身体移動に都合の良い不安定性』が含まれています。宮本武蔵の自画像にその特徴が伺えます。

※動的起立基本姿勢補足
(a)剣道の構え
胸を豊かに開き、両肩を降ろして肩や腕の筋をリラックスさせる。呼吸のしかた、下腹の力の入れ方と深く関係があることを研究すると良いでしょう。
▲両肩を後ろに引くと胸が広くなるが筋が硬直する。両肩を前に出すと胸が狭くなり、竹刀の操作が不便になり、打突動作が小さくなる。両肩を挙げると肩に力が入り、腕にも力が入る。お勧めできません。
(b)素速く動くための姿勢
剣道のように立っていて、あらゆる方向に相手を見ながら瞬時に短距離動くには、武蔵の動的起立基本姿勢だが、早く動くには低いほど有利で、スポーツではそれ以外の姿勢もあります。
・ともかく早く動くには、手を着いて構えます。例えば、クラウンチングスタート、相撲の立合。
・相手を見ながら早く動くには、中腰で構えます。例えば、野球の内野手、テニスのサーブレシーブ。
(8)どんなに良い姿勢でも、長くなりすぎないように
適度に休憩や体操、姿勢を変えることが大切です。
※※図の引用元
東洋療法学校協会 編「解剖学 第2版」医師薬出版株式会社 2008
「新・VDT作業の手引」日本電気株式会社コーポレートデザイン部 1992
三橋秀三「剣道」大修館書店 1972
2017年4月28日
もろもろ 鍼灸
年末というか12月は忘年会に始まり、家の内装工事の準備と後始末に追われた。
忘年会では、三度も飲み過ぎ?で痛い目にあう。こっぴどい二日酔いになったり(午前中剣道をして昼から夕方まで…飲み過ぎ)、酔ってどこにいるかも分からずにほっつき歩いていてころんで顔面血だらけになったり(コンピュータ研究会ミニプレゼンをして夕方から深夜まで…飲み過ぎ)。そんなことを酒の肴に飲んだ帰りにはスマホを落としたり(南無の会坐禅会の仲間と二次会までやった…ほどほどの筈だったが)。年齢のせいと長時間飲み過ぎたせいだ。中でも、スマホはショックだった。データをリモート削除したが、悪用されるのではないかと気が気では無かった。会社勤めの頃なら、始末書だけでは済まなかっただろう。
最後の忘年会では、ビール1本でしらふで過ごした。味気ないが、さすがに飲む気になれなかった。酒の弱い人に聞いたら、最初の乾杯で良い気分になって、そのまま持続するようだ。安上がりで良い(でも、割り勘負け?)。その境地にはなかなか慣れそうにない。
スマホは1年半前の強力機種だったが、この間にまた進歩している。新しいスマホを手に入れて、少し喜んでいる自分がいたりするが、まだ使いこなせていない。
内装工事は古くなった畳みをフローリングに変えて、上に置き畳というのを敷いた。狭い家の中で家具の移動が大変。折悪しく、団地の大規模修繕で、ベランダが使えない。年末ギリギリまで引っ張ったらベランダが使えるともくろんでいたが、検査が済むまではだめと言うことで、泣く泣く、使わないものを処分。つれあいの嫁入り道具として残っていたタンスの片割れを廃棄、彼女が自宅療養中、ずーっと寝ていたソファベッドを廃棄、未だに残っていた衣類や自分の着ない衣類を処分。それをスマホの写真に収めてあったが、スマホと一緒に行き方知れずに。さほど悔いが残っていないのは、廃棄の踏ん切りを付けるために写真に撮っただけのようだ。思い切りの良い人はそんな手間をかけずに捨てられるのだろう、少しは断捨離へのヒントになった。一人で重い家具をあっち運んだり、こっち運んだりしてへとへとになった。工事は二日で終わり、ネット注文の畳みも納期通りにその夜には届いた。熊本産の青々とした畳みは気持ちよい。畳みと何とかは新しい方が良いと言うが、その通りだった。

大晦日は娘の所へ行き、孫と遊ぶ。いつの間にか、一輪車に乗ったり、補助無しの自転車に乗れるようになっていた。一日にはみんなで実家に来て、高幡の不動さんにお参り。明石焼き(たこ焼き)のつけ汁が美味しかった。その夜は、新宿の鍼灸院に移動して、窓辺の花鉢に水をやる。盆栽に水をやる隠居のような小市民的生活を送るとは思わなかったが、人生変わるものだ。二日の朝は、明治神宮へ初詣(朝早くまだ人は少なめ)と代々木公園を初ラン(人気無し、鴨ばかり)。まんかい鍼灸院の隣りの代ゼミ本校は決戦ムード。


昼に帰ろうと思っていたら、ぎっくり腰の急患が電話で治療を頼んでくる。一日に発症したらしく、普通は家で安静にするものだが、どうしても外出をしないといけないので、御願いするという。電話をあちこちかけまくったがさすがに三が日やっているところがないという。どうぞと迎えたが、ひどくてズボンを脱ぐのもベッドに横になってやっと。急性筋筋膜炎というのは、発症部位の炎症と周囲の冷えたところとかばって硬くなったところの三カ所を治療するのがコツ。右腰が発症部位だが、左の大腿がかばってかちかちに硬くなっていた。帰りは座ってズボンをはけるまでになって喜んで帰って行った。年明け早々人助けできて良い気分。4日ほどして再来院して、何とか動けて、仕事にも復帰できたと言う。もう炎症は治まっていた。何度もぎっくり腰になるようだが、硬くなった瘢痕治癒の部位をちゃんと治療するのが再発防止に重要。この後も来てくれると良いが。
三日は下の娘夫婦も来て、久々に一家勢揃いで楽しいひとときを過ごした。四日は七生丘陵を軽く走り、五日からは通常の治療と、剣道の日々に、…。これから新年会がいくつも続く、どう控え目に飲めるか、今年の試金石、チャレンジ。
今年は、医療機関と鍼灸師の連携をすすめる医療鍼灸協会の立上げに協力することになり、忙しくなりそう。
2017年1月12日